パルスフィールド・アブレーション|新しい心房細動カテーテル治療


パルスフィールド・アブレーション(PFA)

2024年から国内でも新しい心房細動カテーテル治療システム=パルスフィールド・アブレーションが保険診療として行われるようになりました。
その特徴は、安全性が高いと考えられている点です。
熱エネルギーを介する現行のカテーテルアブレーションと比較して周囲組織への影響を引き起こすリスクが低いと考えられています。

熱エネルギーを使用するカテーテルアブレーションはメーカーによる効果の違いはほとんどありません。
熱エネルギーの代表として、高周波アブレーション、冷凍バルーンアブレーションがありますが、高周波アブレーションも冷凍バルーンアブレーションもメーカーにより効果は異なりません。高周波により火傷を起こして治療するか、冷凍バルーンにより凍傷を起こして治療するかの違いで、効果の差を比較することができます。しかし、パルスフィールド・アブレーションはメーカーによりパルスフィールドの作り方が異なり、同じ効果が得られるのか現時点で明らかになっていません。国内では現在、3つのメーカーのパルスフィールド・アブレーション・システムが使用されていますが、3つのメーカーのシステム毎に効果が異なる可能性が指摘されています。

パルスフィールド・アブレーションが先行して行われている海外からの報告では、熱エネルギーを使用するアブレーションとパルスフィールド・アブレーションの治療効果は同等でした。

海外のハイ・ボリューム・センター(多くの治療を行っている施設)から高周波アブレーションとパルスフィールド・アブレーションの実際についての報告がありました。
治療効果・安全性についてではなく、施設運用面での高周波アブレーション(RFA)とパルスフィールド・アブレーション(PFA)の比較です。
結果は、
・手技時間(カテーテルを入れてからカテーテルを抜くまでの時間)は、PFAが短かった
・麻酔に必要な時間は、RFAが短かった
・EP Labo の滞在時間は、同じだった
・放射線被ばく量は、同じだった 

PFAと他のアブレーションとの比較

パルスフィールド・アブレーションと合わせて現在国内で行われているアブレーションについて見てみましょう。
「アブレーションの名称」は「使用するエネルギー」+「カテーテル形状」で見るとわかりやすいので、以下にエネルギー、カテーテル形状、国内での使用開始時期を示します。

アブレーションの名称使用するエネルギーカテーテル形状国内での使用開始時期
高周波アブレーション高周波通常のカテーテル1994年
クライオバルーンアブレーション冷凍(クライオ)バルーン・カテーテル2014年
ホットバルーンアブレーション高周波バルーン・カテーテル2015年
レーザーバルーンアブレーションレーザーバルーン・カテーテル2018年
パルスフィールドアブレーション直流電流様々な形状あり2024年

治療対象となる不整脈は?

アブレーションの名称治療対象となる不整脈
高周波アブレーション心房細動を含むほぼ全ての頻脈性不整脈
上記以外のアブレーション心房細動のみ

高周波アブレーションは、アブレーションで治療可能な全ての不整脈が対象ですが、バルーン・カテーテルを使用したアブレーションとパルスフィールド・アブレーションは心房細動のみが対象です。

合併症は?

カテーテルアブレーションにおいて問題となるのが合併症です。使用されている歴史が長いほど、その性質は明らかになっています。
アブレーションの合併症は、使用された歴史が最も長い高周波アブレーションの報告が最も蓄積されており対策が取られてきました。
バルーン・カテーテルの普及とともに肺静脈狭窄が増加傾向にあります。
パルスフィールドアブレーションの特徴的な合併症として『腎機能低下』が報告されています。
バルーン・カテーテルを使用したアブレーションの合併症パルスフィールドアブレーションの合併症は、高周波アブレーションとは異なる傾向があることも注意が必要です。

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